転職ノウハウ

全国1154ヶ所から8位に選ばれた道の駅は元田舎の廃校! Uターン人材として地域に貢献するのはこんなに幸せ

道の駅・保田小学校の横瀬さん
2019年現在、全国に1154か所もある道の駅。地方の定番観光スポットである道の駅ではどんな仕事があり、どんなやりがいがあるのでしょうか?今回は、廃校を改装して話題になり、トリップアドバイザーで2018年道の駅ランキング8位に選ばれた千葉県安房郡鋸南町の「道の駅・保田小学校」で営業・販促企画を担当し、Uターンで働いている横瀬裕司(よこせゆうじ)さんに、道の駅での働き方や地元に戻って働くことについて聞いてきました。

道の駅が求める人材とは?

道の駅・保田小学校
――早速ですが、道の駅が求める人材とはどんな人でしょうか?
そうですね、やっぱり“その地域が好きな人”でしょうか。道の駅は、高速道路にあるパーキングエリアやサービスエリアのような役割を一般道で提供する施設です。駐車場やトイレなどは24時間使用可能で、さらに、地域の振興や情報発信の役割も持っています。道の駅を訪れるのは観光客がメインなので、対応する側も地域のことをよく理解している人が向いているでしょう。

また、働いている人は「地域のいいところをお客さんに知ってもらいたい、地域を盛り上げたい」という想いがある人が多いので、地域が好きな人の方がお互いに働きやすいと思います。

――具体的にはどのような仕事があるのでしょうか?
道の駅によって異なりますが、業務の基本は接客ですね。地域の情報や特産品を提供するのがメインの仕事です。具体的には、施設内の案内所やお土産売り場、直売所や直営のレストランでの業務になります。

道の駅・保田小学校
ただ、通常の販売店や飲食店などとは大きな違いがあります。それはお客さんが地域の情報を求めているという点。案内所はもちろんですが、施設内ならどこを担当していても地域について聞かれる可能性が高いです。そのため、その地域が好きなことはアドバンテージになると思います。

道の駅・保田小学校の直売所

それから、地域の人とのコミュニケーションも仕事のひとつ。多くの道の駅にある直売所には、地元農家や地元商店からの商品が毎日入ってきます。それを搬入・陳列するのはもちろん、販売量を相談したり、今後の入荷について聞いたり、やりとりする機会はたくさんあります。お客さんから商品について聞かれることも多いので、それを知るためにも納入者である地域の人たちとのコミュニケーションはかかせません。

――必要なスキルはありますか?
特別な資格は必要無いですが、コミュニケーション能力は必要だと思います。お客さんと接する機会が多いので、笑顔が出せるともっといいですね。あとは、基本的に複合施設なので、自分の仕事だけでなく他の仕事も手伝えたり改善案が提案ができたりする広い視野を持った人は歓迎されるんじゃないでしょうか。

地域の特徴を活かした取り組みで、地域活性化の手助けになる道の駅

横瀬裕司(よこせゆうじ)さん
――横瀬さんご自身はどのような経緯で働き始めたんでしょうか?
私自身は「道の駅・保田小学校」のオープンに合わせて、それまでの職を辞して働き始めました。出身は保田小学校のある鋸南町で、東京のファッション専門学校を出たあとアパレル関係で働いていました。その後、家庭の事情で実家のある鋸南町に戻って、他の仕事をしていたのですが、正直なところ自分があまり興味を持てない仕事だったんです。安定した仕事ではありましたが、もっとやりがいを感じる仕事がしたいと思っていました。そんな時に地元で新しい道の駅ができると聞いて、「道の駅・保田小学校」の指定管理者である株式会社共立メンテナンスに転職を決めました。

道の駅・保田小学校の直売所
最初は直売所の立ち上げを担当し、地元の農家や商店の方と一緒に考えながら売り場を作っていったんです。保田小学校らしいオリジナル商品の開発にも携わりました。企画から形にしていく仕事は未経験でしたが、やりがいがあって楽しかったですね。それから1年半くらい経ったあと、今の営業・販促企画担当になりました。現在は「道の駅・保田小学校」で観光客も地域の人も楽しんでもらって地域が活性化するようイベント企画や広報なども担当しています。

――「道の駅・保田小学校」の特徴を教えてください。

道の駅・保田小学校
「道の駅・保田小学校」は、2015年にオープンした名前の通り廃校になった小学校を道の駅にコンバージョンした施設。学校の統廃合がすすみ全国的に問題となっている廃校利用の新しい形としてメディアでも多く紹介してもらっています。教室や廊下、黒板や机など学校の雰囲気を残した校内には宿泊施設と入浴施設があり、休日には満室になるほど人気なんですよ。

直売所は体育館を活用していて、直営のレストランでは給食をモチーフにしたメニューを出しています。キッズスペースや教室のベランダを使った細長いフリースペース「まちの縁側」もたくさんのお客さんに利用してもらっていますね。老若男女問わず楽しんでもらえる場所になるよう元小学校である特徴を活かし、工夫を重ねています。

道の駅・保田小学校
また、学校という名前の通り、学べる道の駅としてイベントやワークショップにも力を入れています。フリースペース「まちの縁側」や「みんなの家庭科室」など校内の施設を使用して多くのイベントを開催しました。

それから、施設の特徴ではないんですが保田小学校は風通しのいい職場だと思っています。従業員がそれぞれ得意を活かして働いていて、商品陳列のアイディアやオリジナル商品開発なんかも従業員の意見を取り入れています。直売所のPOPは絵が得意な従業員が書いているんですよ。

横瀬裕司(よこせゆうじ)さん
――どのようなところにやりがいを感じますか?
2018年には30以上の取材を受けるほどに注目を集めたことから、「道の駅・保田小学校」を通じて地域を全国へPRできていると思いますし、人の流れやにぎわいなどにも一役買っていると感じます。そんなふうに、地域活性化の役割を担えていることは嬉しく、やりがいにつながりますね。

地元のにぎわいを自分の手で!Uターンで地元貢献

道の駅・保田小学校
――道の駅で働くことで得られるものはなんだと思いますか?
道の駅には大変な仕事もありますが、お客さんの反応や手ごたえをダイレクトに感じられます。そこで得られるものは「地域に貢献している」という実感でしょう。最初に“地域のことが好きな人”を求めていると言いましたが、道の駅で働くともっと地域が好きになると思いますよ。

――地域に貢献する喜びはなんでしょうか
道の駅では地域のよいものを紹介しているのですが、道の駅の集客効果で地元の農産物が注目されるのは喜びです。例えば、直売所での農産物の売り上げが上がって売り場が拡大し、「道の駅に卸すために野菜の生産量を増やした」「新しい野菜栽培にチャレンジできるようになった」なんて声を生産農家から聞くと、地域の活性化に貢献できていると嬉しく思います。自分の地元だと、余計に喜びがありますね。

――最後に、地方に戻って働くか迷っている人にメッセージをお願いします。
Uターンの人は、地元外で働いた経験値とUターンならではの都会目線を持っています。これは地方で働くうえで大きなアドバンテージ。ずっと地元にいると見えないことや、経験できていないことをカバーできるのがUターン人材で、道の駅だけではなく、地方全体で求められている人材だと思いますね。

一度出ていった地元も、自分がいたころと変わっていたり、自分の目線が違ったりして、じっくり見てみたらおもしろいと感じる要素が出てきます。私の場合は、自分がいたころにはなかった移住者のコミュニティに参加したことで、ぐっと地元がおもしろくなりました。
正直、給与面で地方は難しいと思う人も多いと思います。ただ、それ以上に地元がおもしろい!と感じられれば、地元で働いて充実した生活を送れるのではないでしょうか。

(取材・文 フジイミツコ)

プロフィール
横瀬裕司(よこせゆうじ)
1979年、千葉県安房郡鋸南町出身。
道の駅・保田小学校にて、営業・販促企画を担当。
道の駅・保田小学校
場所:千葉県安房郡鋸南町保田724
営業時間:9:00~18:00(年中無休)
WEB:https://hotasho.jp/