コラム

久しぶりに運動するあなたに!運動不足な20〜30代に必須な「ストレッチ」のポイント

大殿筋

会社での運動会イベントやお子さんの運動会への参加、あるいは健康のためにジムに通うなど、久しぶりに運動をするという方も多いでしょう。特に20代・30代の方は、”自分はまだまだ若い!”と学生時代の感覚で身体を動かそうとしていませんか?しかし、長い間運動をしていなかった身体を急に動かしてしまうと、思わぬ怪我をしてしまうこともあります。今回は久しぶりに運動をするという方々に向けて、フィジカルトレーナー監修のもと、運動の前後に行っていただきたいストレッチのポイントをご紹介します。

運動する直前には「動的ストレッチ」

久しぶりに運動をする直前、なんとなく自分なりのストレッチをしているという人も多いと思います。例えば、これから短距離走を走る直前、あなたはアキレス腱を伸ばしたり、肘や手首などを曲げて伸ばしたりのストレッチをしていませんか?実はこういった「伸ばすストレッチ」(「静的ストレッチ」といいます)を運動する直前に行うことは、かえって怪我のリスクを上げてしまう可能性があるのです。

運動をする直前にやってほしいのは、筋肉の温度を上げる(ウォーミングアップする)「動的ストレッチ」です。今回は、運動前に怪我を予防するために、「動的ストレッチ」の正しいやり方に焦点を当ててみましょう。

◆ウォーミングアップその1:股関節回し
①両脚を肩幅に広げて立ち、片方の脚を1歩分後ろに下げる。
ニーアップ

②下げた脚の膝を外側に向けてから、股を開きながら脚を外側に上げていく。
股関節回し

③太ももと地面とが並行になるくらいまで持ち上がったら、そのまま膝が前を向くように動かす。
股関節回し

④最初の位置まで脚を戻す。

これを20回ほど繰り返してください。小さなハードルを越えるようなイメージです。片方の脚が終わったら、もう片方の脚を同様に行ってください。

◆ウォーミングアップその2:ニーアップ
①脚を肩幅に広げて立ち、片方の脚を1歩分後ろに下げる。それと同時に、下げた脚と同じ方の腕の肘を軽く曲げた状態で体の前まで上げる。
ニーアップ

②下げた脚のつま先で地面を蹴り、膝を前に出す。それと同時に、蹴りだした脚と反対側の腕の肘を軽く曲げた状態で前に出す。
ニーアップ

③太ももと地面とが並行になるくらいまで持ち上がったら、そのまま膝が前を向くように動かす

④最初の位置まで脚を戻す
これを30回ほど繰り返してください。走る時と同じようなイメージです。片方の脚が終わったら、もう片方の脚を同様に行ってください。

◆ウォーミングアップその3:肘回し
①立った姿勢から、肘を折り曲げて両手の指先で肩を触る。(右手は右肩、左手は左肩)
肘回し

②肩を触った姿勢から、肘を前に突き出す形になるように動かす。
肘回し

③続いて、肘を真上に上げるように動かす。
肘回し

④最後に、肘が体の真横を通るようにして下ろしていく。
肘回し

①~④の動作を、肩甲骨を大きく動かすようなイメージでリズミカルに動かしてください。3秒で1周するイメージで、20回を目安にしましょう。

◆ウォーミングアップその4:肩甲骨回し
①脚を肩幅に広げて立ち、身体の前で手を合わせる。この時脇は締めて、肘は伸ばす。
肩甲骨回し

②手を合わせたまま、両手を頭の上まで持ち上げる。
肩甲骨回し

③両手を頂点まで持ってきたら、手のひらを外側に向けて、肘を曲げながら腕を下す。この時、肩甲骨を寄せるイメージで!
肩甲骨回し

これを4秒で1周、20回ほど繰り返してください。肘を背中よりも後ろに持っていくのがポイントです。

運動後には「静的ストレッチ」を忘れずに!

しっかりと運動前の動的ストレッチを行い、無事に怪我なく運動を終えた後。ここで行っていただきたいのが、筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」です。運動直後で疲労した筋肉は収縮しています。それをもどすためにも静的ストレッチが必要です。また筋肉を伸ばすことで柔軟性が上がり、血流量が増え、疲労物質の排出を促すことができると言われています。

◆下半身の静的ストレッチその1:お尻(大殿筋)のストレッチ(左右2~3セット)
①仰向けに寝転がり、片方の脚の膝を立てる。

②立てた太ももに、もう片方の脚の足首をかけ、ひざを開く。
大殿筋

③立てている太ももの裏側を両手で抱え、胸の方に引き寄せていく。

④お尻の筋肉の伸びを感じたら、息を吐きながら20~30秒間キープする。
大殿筋

◆下半身の静的ストレッチその2:脚の付け根(腸腰筋)のストレッチ(左右2~3セット)
①片手を壁につけ、脚を前後に開く。(壁と反対側の脚を後ろに)
②後ろ脚をさらに大きく下げ、脚を下げた側の手を後ろ脚のお尻に当てる。
③前脚(壁側の脚)の膝を曲げて体重を前にかけながら、股関節の付け根を伸ばす。この時、手でお尻を前に押し出すようにする。
④股関節の付け根の伸びを感じたら、息を吐きながら20~30秒間キープする。
腸腰筋

◆下半身の静的ストレッチその3:太ももの裏(ハムストリングス)のストレッチ(左右2~3セット)
①床に座り、片方の膝を曲げて、反対側の膝の下に通す。伸ばしている脚のつま先を上げる。
②伸ばしている脚のつま先を両手でつかみ、上半身を前に倒して太ももの真ん中を伸ばす。筋肉の伸びを感じたら、息を吐きながら20~30秒間キープする。
③②と同じ姿勢からつま先の向きを内側、外側へと変えて、太ももの内側、外側も伸ばす。それぞれ、同じように息を吐きながら20~30秒間キープする。
ハムストリングス

◆下半身の静的ストレッチその4:太ももの前(大腿四頭筋)のストレッチ(左右2~3セット)
①片手を壁につけ、壁と反対側の膝を曲げる。
②曲げた脚の足首を手で引き寄せながら、かかとをお尻に近づけ、太ももの前の筋肉の真ん中を伸ばす。筋肉の伸びを感じたら、息を吐きながら20~30秒間キープする。
③②と同じ姿勢から足の向きを内側、外側へと変えて、太ももの内側、外側も伸ばす。
それぞれ、同じように息を吐きながら20~30秒間キープする。
大腿四頭筋

寝る前の静的ストレッチもおすすめ

静的ストレッチを行う際には、反動を利用せずに息を吐きながら、筋肉の伸びを意識し、その状態を20~30秒キープして行うようにしてください。静的ストレッチは就寝前に行うことで筋肉が弛緩し副交感神経が優位になり、眠りの質を高めることも期待できます。

いかがでしたでしょうか。動的ストレッチと静的ストレッチがあったなんて知らなかったという人も多いかと思います。怪我の予防にストレッチはとても有効なので、二つの違いをしっかり理解して適切なストレッチを心がけましょう。

(取材・執筆:小石原誠、編集:田中利知[ネイビープロジェクト])

【取材・監修先プロフィール】
(株)スポーツモチベーション
森本 浩之(トップトレーナー・PTI認定フィジカルトレーナー・チーフマネージャー)
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