転職ノウハウ

本業とは別に複数のことに挑戦する、“ハイブリッドサラリーマン”という考え。

本業とは別に複数のことに挑戦する、“ハイブリッドサラリーマン”という考え。

組織に属しながらも、本業とは別に新しいチャレンジをする“ハイブリッドサラリーマン”。その新しい働き方を提唱しているのが、実業家の小柳津林太郎さん。恋愛リアリティー番組の「バチェラージャパンシーズン2」にも出演していた経歴の持ち主。八面六臂の活躍を見せている彼に、これからのサラリーマンの働き方がどう変わっていくか、詳しく聞いてみた。

社会人2年目で子会社の社長に抜擢!

社会人2年目で子会社の社長に抜擢!

――まずは、小柳津さんの経歴について教えてください。

大学で英語演劇を4年間やっていて、その後は俳優を目指すか社会人になるかで悩みました。そんなときに就活仲間から「面白い就活セミナーがあるから行ってみる?」と誘われて、サイバーエージェントのセミナーに出てみたら、会う人会う人が活き活きしていて。面白い会社だなと思って、就職試験を受けました。

最終面接で「表現者として活動したい!」という思いを伝えたら、藤田社長から「それだったら経営者をやってみればいいじゃん。おれは会社を通して自分を表現している。会社を芸術作品だと思っている」という言葉をもらいまして。「なるほど!その発想があったか」と納得して、それで入社を決めましたね。

――2年目から子会社の社長に抜擢されたと聞きましたが?

そうなんですよね。26歳のときにお話をいただいて、正直最初は戸惑いましたね。広告部門のマネージャーに昇格したばかりで、広告の仕事が楽しい時期でしたので。ただ、当時の上司からのススメもあってお話を受けました。その子会社はモバイルサイト制作事業をやっていまして、企画から製作まで一貫して引き受けていました。

実際に代表取締役を務めてみて思ったのは、会社には「社長の色が出る」ということ。社長の価値観や言葉、大事にしていることがそのまま色濃く反映されるのが会社だなと。会社や従業員、作り出すプロダクトを通して、社会に表現している感はありましたね。

ゲーム事業にピボット!月商1億円越えのゲームをリリースする。

ゲーム事業にピボット!月商1億円越えのゲームをリリースする。

携帯のソーシャルゲームマーケットが「アメリカから日本に来るぞ」となった時期に、ゲーム事業に転換しないかというオファーがあったんです。『B to B』よりも『B to C』のほうが海外にも通じるはずだし、そこで事業をピボットしようと決断しました。早速1発目と2発目にリリースしたゲームが当たって、月商1億円越えのタイトルが生まれました。新しいマーケットだったので、荒削りでも『新しい価値を最速で』出せば、ビジネスとして成立するということを知りましたね。

29歳のときに、アメリカのスポーツライセンスを活用するゲームの立ち上げに取り掛かりました。メジャーリーグとかNBA、NFLと交渉する必要があり、英語で渉外ができるボク一人でアメリカに行きました。かなり時間と手間もかかったゲームなのですが、アメリカでは、あまりヒットがせず撤退することを決めました。

――撤退するという判断は難しくなかったですか?

正直難しかったですね。アメリカで絶対に当ててやろうと思っていたし、数億円の投資をしているので「そう簡単に引けるか」と思っていたんですが……。時期尚早と判断して、そのときの役員に頭下げて撤退を決めました。

――広告代理店の営業、サイト制作会社の社長、ゲーム会社の社長を経験。そして海外でオフィスを作ったり、2桁億円のお金を動かしたりと、20代でかなりの経験をされていますが、20代の方に向けてアドバイスはありますか?

一般的に、コンサバティブ(保守的)な人が多い。会社が「チャレンジしろよ」と言っているんだったら、会社のブランドと人とお金を使って、大きなチャレンジをして欲しいですね。でないと、会社に属している意味がない。

仮に損失を生んだとしても、それでクビになってしまうような会社だったら辞めたほうがいい。でも、失敗しているからこそ「次なるチャレンジを頑張れ」って言ってくれる会社もあるはずです。全力のチャレンジをした結果の失敗というのは、次の成功の糧に絶対になる。逆に中途半端なチャレンジと、中途半端な失敗はあまり意味がないと思うんです。

20代のうちに自分がオーナーシップを持てる事業を担当したほうがいい!

20代のうちに自分がオーナーシップを持てる事業を担当したほうがいい!

組織と個人の関係って、変わりつつあると思うんです。個人が組織に属する理由は、一人ではできないことを『会社の資産を活用して達成する』ためでしょう。組織にいるのに、個人でできるようなことをしても仕方がないですよ。

できるかぎり若いうちに、どんな小さなことでもいいので、自分がオーナーとしてやれるプロジェクトをやったほうがいい。それによって、決断力と経験値が圧倒的に上がります。最終的な当事者として、さまざまな事業の判断をした結果、失敗とか成功とかに繋がっていく。最終判断をする経験を積むことが、30代40代に役立ってくると思うんです。

本業でそういう経験ができない人は、小さくてもいいからサブプロジェクトを課外時間にやってもいいんじゃないかと思っているんです。それが“ハイブリッドサラリーマン”という考え方です。

――“ハイブリッドサラリーマン”とはどういう人のことを指すんでしょうか?

組織人として本業のサラリーマンを大切にしながらも、二足、三足のわらじを履いて走る社会人のことを指します。固定概念にとらわれることなく、一度限りの人生を全うすべく、同時並行でやりたいこと、やるべきことを追い求める社会人として定義します。

ただ、サブ事業を何からやればわからない人が多い。だから、ボクは“ハイブリッドサラリーマンズクラブ”というオンラインサロンを立ち上げました。そこでは、さまざまな経歴を持った、8人のハイブリッドサラリーマンたちが情報を発信しています。そういったものを利用してもらうと、イメージがつきやすいと思います。

1万人のハイブリッドサラリーマンを輩出したい

1万人のハイブリッドサラリーマンを輩出したい

――“ハイブリッドサラリーマンズクラブ”はどういう人に見てもらいたいですか?

本業を頑張っていて、「あれ、これだけでいいんだっけ?」てモヤモヤがある人に見てもらいたいですね。ゆくゆくは1万人のハイブリッドサラリーマンを輩出したいと思っています。いまはメルマガや動画配信、オンラインやオフラインでの交流会をしているのですが、短期合宿なども開催したいと思っています。

複業の本質は、新しいチャレンジを複数していること

本業とは別に複数のことに挑戦する、“ハイブリッドサラリーマン”という考え。

――小柳津さんにとって、複業とは何でしょうか?

複業の前提として、自分がいまできることや時間の切り売りはやらなくてもいいかなと。なぜなら、そこに成長があまりないからです。複業の本質って、新しいチャレンジを複数していることなんじゃないかな。ボクも会社の顧問やオンラインサロンの経営は初めてだし、自分のお金で起業するのも初めて。新しいことを同時多発的にやっていくと、どこかでチャレンジ同士が掛け算になって新しい価値に変換される可能性があるんですよね。自分にとって初めてのチャレンジをしてみて欲しいですね。

複業とは、本業をブレイクスルーさせるための『AND』の選択肢なんです。ボクはエンジェル投資もやっていますが、あまり営利目的では見ていなくて、『実学MBA』だと見ているんです。そうするといろんなスタートアップ企業のフェースごとの悩みもわかってくるし、資金調達の仕方もわかる。『スキル』と『情報』が一辺に入ってくるんです。

まずは、会社でやるべきこと、自分でやりたいこと、自分ができることの3つを考えて欲しいんです。意外と『自分がやりたいこと』がわかっていない人が多いですから。そういう人は、まずは自分ができることを増やす。そして、やるべきことを徹底的にやる。営業マンだったら『営業』を徹底的にやってみる。その過程のなかで、「こういうのは得意だな」とわかってくるはずです。

これから先、会社勤めをしているだけの人のほうが不安定になると思うんです。定年後に、年金だけが収入源になるというのが非常に不安定。定年してからも、稼ぐ力を身に着けておくことが大事だと思います。複業は、その『稼ぐ力』を身に着けることに繋がっていきます。

スケジュールの棚卸しとリプランニングが、マルチタスクをこなすコツ。

スケジュールの棚卸しとリプランニングが、マルチタスクをこなすコツ。

――同時に複数の仕事をするうえで、心がけていることはありますか?

1週間のうちに、『スケジュールの棚卸し』と『リプランニング』をすることが重要です。たとえばボクは、グーグルカレンダーを使っているんですが、仕事によって色分けをして見やすくしています。あとは、スケジュールのかぶりを極力なくしています。そのため、ある程度は『捨てること』が重要。定期的にそのスケジュールを見直して、無駄をなくすようにリプランニングするといいですね

全力の努力をした結果の失敗は、前向きに受け入れるべき!

全力の努力をした結果の失敗は、前向きに受け入れるべき!

――仕事でくすぶっている人に対してアドバイスをもらってもいいですか?

全力のチャレンジに対する失敗は、前向きに受け入れるべきです。失敗するくらいチャレンジしたんだと前向きに受け入れてあげてください。自分の心に聞いてみて、「もっと努力できたな」と思うんだったら、もっと努力できるチャレンジを見つけたらいいし。それがいま勤務している会社で見つからなかったら、その会社を出たらいいんです。

――小柳津さんの今後の展望はありますか?

ダサいことはしないことですね。マルチでやっているからこそ、ひとつひとつを中途半端にせずに、全力で挑戦していきたいですね。なおかつ、多くの人の役に立つ、新しいモノやコト(価値)を生み続けていくのをライフワークにしたいです。

プロフィール
小柳津林太郎(オヤイヅ リンタロウ)
1981年京都府生まれ。実業家。新卒でサイバーエージェントの広告部門に配属後、子会社の代表に抜擢され経営について学ぶ。その後、恋愛リアリティ番組の「バチェラー・ジャパン」で2代目バチェラーとして出演する。現在は、株式会社GHOSTを設立し、CEOを務める。その他にも会社顧問、オンラインサロン「ハイブリッドサラリーマンクラブ」の経営、エンジェル投資家、ビジネスタレントとしても活躍している。ハイブリッドサラリーマンクラブ: https://lounge.dmm.com/detail/1997/
株式会社GHOST:https://www.ghst.jp/