転職ノウハウ

キャリアカウンセラーに聞く!失敗しない「第二新卒」「Uターン」転職のポイントとは?

売り手市場が続く昨今。新卒で入社して約3年未満の求職者「第二新卒」や、地元へと生活拠点を変える「Uターン転職」でも、異業界・異業種からの転職が歓迎されるなど、選択肢が広がっているようです。

しかし、第二新卒であれば、「スキルがなくても受け入れてもらえるの?」「活躍のチャンスを与えてもらえるのかな」、Uターンだと「地元で自分が望んでいる仕事があるのだろうか」といった不安があるかもしれません。

そこで、第二新卒での転職やUターン転職を検討している人が、納得のいく転職を叶えるために知っておきたいポイントについて、キャリアカウンセラーの鈴木むつみさんにお話を伺いました。

第二新卒はフレッシュ&素直さで勝負!異業種にチャレンジするならチャンス

2008年のリーマン・ショックを契機に雇用が落ち込んでいましたが、近年景気回復にともない、企業も人手不足が続いています。そのため、採用に積極的な企業が多く、どの企業にも若い人材を求めている傾向が見受けられます。

ただし、企業が第二新卒に対して何を期待しているのか、しっかり理解しておくことが大切です。

多くの企業は、何よりも「素直さ」を重視しています。素直さと言うといろいろな捉え方ができますが、貪欲に吸収しようとする姿勢や、フレッシュな感性が求められていると言ってもいいでしょう。裏を返せば物事に否定的な人や、自分の意見を曲げない人は敬遠されてしまいます。

また、新卒と異なるポイントとして、新人研修を経験している第二新卒はビジネスマナーや仕事の進め方など、社会人の基礎の基礎を身につけていることから、「教育コストがかからない」ことが挙げられます。

さらに、誰しも新卒の就職ではたくさんの失敗を重ねるものです。そこから学びを得て、自分自身の糧にしている人は、「将来成長する伸びしろがある」と評価されると思います。

前職の社風を持ち出すのは禁物!経験値が少ない第二新卒は吸収力を武器に
たとえば、転職先に前職で得た知識やノウハウを伝授しようとするのは要注意。社風を引き合いに出して「前の会社ではこうだった」とか、業務について理解が及んでいないにもかかわらず「もっとこうした方が改善されるのでは」と意見する人は敬遠されてしまいます。

なぜなら、第二新卒を歓迎している企業は、知識やノウハウを期待しているのではなく、「まだ何ものにも染まっていない人材」を教育して、自分たちの企業カラーを浸透させたいと思っているからです。

つまりは、即戦力ではなく、教育していきたいと思える人材が欲しいということです。そのため、「何でも吸収します!頑張ります!」というやる気が通用する点において、第二新卒は有利だと思います。

これが30代や40代になると、スキルの方が求められるので、異業種に挑戦したいと思っている人にとって、フレッシュさを求められている第二新卒は大きなチャンスといえる時期でしょう。

また、新卒と異なり第二新卒の場合、採用から入社までの期間が短く、戦力化に向けて実務に取り組めるため、企業側にとっては採用コストを早期回収に回収できるメリットがあります。

転職希望先で働いている人のリアルな声をリサーチしよう
また、自分より年下の人が先輩や上司になるケースもあるので、
そうした同僚ともうまくやっていけるかという柔軟性やコミュニケーション能力も評価されるポイントになります。

そして、第二新卒で転職を希望する人の中には、現職について「入社してみたら合わなかった」という人もいるかもしれません。そこで注意した方がいいのは、焦って「自分が本当にやりたいことを探さなきゃ」と、転職を急いでしまうこと。まずは、自分が会社でしてきたことをじっくりと振り返ったり、もっと遡ってこれまでの人生で何を学び、何に興味を持っているのかを見つめ直したりしてみることも大事です。

もちろん、入社してみないと分からないこともあります。転職して、実際に働きはじめてから好き嫌いが分かってくることがほとんどではないでしょうか。幸いなことに、いまは売り手市場なので、もし転職してみて違ったと気づいたら、また別のステージでチャレンジするチャンスも決して少なくありません。

ただ、短期間で転職を繰り返すジョブホッパーになってしまうと、キャリア形成の観点からすれば必ずしもプラスに働くとは限りません。ちなみに、転職理由として「職場の環境」を挙げる人は多いです。そこで、転職先が働きやすい環境かどうかを見極めるのは大切。

採用サイトで転職した人のインタビューがあれば目を通すこともひとつですし、ホームページだけでは分からない場合は、OB・OG訪問を受け付けていないかリサーチして、働いている人たちに会いに行くと収穫も大きいはずです。

また、第二新卒での面接は、短い期間だったとしても社会に出た経験をもとに、自分なりの意見を述べられるかどうかも見られます。自分の将来やキャリア、志望する企業の方向性や将来性を踏まえたビジョンを語れるかどうかで、ポテンシャルを判断されます。

「新卒ではこんな失敗もあったけど、これからはこう改善していきたい!」と改善策を含めて前向きな意見が述べられるようにしておきましょう。

自治体によってはUターン向け支援も充実!生活環境はいま一度調べてみよう

東京をはじめとする都市部の人手不足が問題となっていますが、地方はより深刻で、多くの企業が人材を求めています。Uターン転職を希望している人にとっては、チャンスの時期ではないでしょうか。

事実、地元に貢献したいというニーズも増えていて、若い人もある程度スキルを身につけたら、Uターンしたいと考えている人もよく見受けられます。

Uターン転職に失敗しないために大切なのは、「地元に帰って何がしたいのか」を明確にしておくことです。たとえば、東京都内で暮らしていた人が地方にUターンして働きはじめると、多少なりとも不便さを感じるようです。

地方での仕事は東京や都市部のスピード感とは違うことがほとんど
たとえば仕事のスピード感を例に挙げると、地方はゆっくりしていることがほとんど。これまで転職をサポートした人のなかには、Uターン転職したものの、会社の雰囲気がのんびりし過ぎていて、どうしても許せなかったと東京に戻ってきた人もいます。このように、自分の求めている仕事の流れ、成長感にフィットするかどうかは、Uターン転職のモノサシになるのではないでしょうか。

そうした雰囲気を知るうえでは、都内の「都道府県会館」などで、Uターン転職を支援するセミナーを開催しているので、まずは足を運んでみるのもおすすめです。また、東京に本社がある企業の中にも、地方に子会社やグループ会社があるので、地元の地域で募集していないかどうかリサーチしてみるのもおすすめです。

他にも、東京に拠点を置きながら、テレワークやサテライトオフィスを推奨している会社も増えています。IT企業などを中心に、都会にいなくても最先端の仕事ができるケースも少なくありません。また、大手企業の中にも、東北や九州など地方で働ける人材を募集していることもあるので、そうした求人を見つけるのもポイントではないでしょうか。

実家に暮らせば家賃を貯蓄にまわせるというメリットも
また、Uターン転職において大きなメリットになるのは、実家で暮らせる場合のとき。都市部は家賃も高いので、仕事が忙しくて寝るためだけなのに、毎月数万円の家賃を払うことを疑問に感じている人もいます。実家に住めば家賃分の出費を浮かせることができるので、その分を貯蓄にまわすことも可能。

東京は平均収入も高いですが、物価も高いです。それに比べると地方は安いので、節約しやすい環境であり、経済的には楽になることが考えられます。ただ、賃金水準も低いので、理想とする家計運用ができるかどうかしっかりと調べた方がいいでしょう。

他にも、通勤ラッシュから解放される、慣れ親しんだ土地で暮らすことができるといった魅力に加え、自治体によっては住居費や引越費用を負担してくれるなど、Uターン支援が充実している地域もあります。

Uターン転職は、自分がもともと住んでいた地元に戻るということで、なんとなく暮らしのイメージがつきやすいもの。しかし、働くとなればいま一度環境をリサーチすることが大切です。

第二新卒・Uターン転職、いずれも理想の働き方を考えるところからはじめよう

転職は人生のターニングポイント。第二新卒とUターン転職、それぞれメリットもありますが、いずれも転職を成功させるためには、しっかりと下調べすることが大事になるようです。後悔しない人生を歩むためにも、理想のキャリアを掴むためにも、自分自身がどのような働き方をしたいのか、見つめなおすことからはじめた方がいいのかもしれませんね。

【識者プロフィール】
鈴木 むつみ
株式会社SINSEI代表取締役
国家資格 キャリアコンサルタント
JAICO認定 産業カウンセラー

〈概要〉
大学卒業後、約3年間国内線の客室乗務員として勤務し、機内におけるマネジメント業務まで経験。退職後、保持している産業カウンセラー及びキャリアコンサルタントの資格を活かし、人材紹介会社のキャリアコンサルタント兼営業として勤務。人材系コンサルティング会社のコンサルタントとしてCS推進やキャリアデザイン等の講師及びコンサルティング、カウンセリング業務を実施。現在、会社を設立し経営に携わる傍ら、キャリアコンサルタント養成講座やビジネスマナーの講師、大学就職課における学生支援や新卒及び既卒の採用代行、キャリアドックのコンサルティングやファシリテーター業務、横浜市水道局CSアドバイザー(顧問)としても従事している。

(取材・文=末吉陽子)