コラム

観てよし!!参加してよし!! 日本男児の魂を揺さぶる熱いお祭り5選

お祭り

日本の夏は、お祭りの季節。出店でおいしいものを食べたり、打ち上げ花火を見たりと、街全体が浮かれる一大イベントをいつも楽しみにしているという読者も多いでしょう。しかし、お祭りの醍醐味といえばやはり参加すること。そこで今回は、思わず参加してみたくなる日本の熱いお祭りをご紹介します。

江戸っ子の魂が浅草の街を熱くする!!「三社祭」

開催場所:東京都台東区浅草
開催時期:毎年5月17・18日に近い金・土・日曜日
祭りの趣旨:五穀豊穣等
アクセス:東京メトロ銀座線「浅草駅」より徒歩7分

三社祭

浅草寺から東京スカイツリーまで。”東京”という街の過去と未来が同居する風情溢れる街「浅草」。そんな浅草を舞台に毎年5月開催されるのが「三社祭」です。神田祭・山王祭と並んで江戸三大祭に数えられることもある三社祭の由来は、遡ること推古天皇の時代、隅田川に漁に出た土師真仲知(はじのまつち)、檜前浜成(ひのくまのはまなり)、檜前武成(ひのくまのたけなり)が川底から観音像を網で引き上げたという故事に至ります。正和元年(1312)よりこの3人を祀る例大祭として開催されたのが三社祭の始まりだとされています。

三社祭では、1日目にお囃子屋台(おはやしやたい)・鳶頭木遣り(かしらきやり)・びんざさら舞・白鷺の舞(しらさぎのまい)などが行列をつくって浅草の町を歩く「大行列」。2日目に浅草寺本堂裏広場に参集した100基あまりの神輿が1基ずつ発進し浅草の街を練り歩く「町内神輿連合渡御」。最終3日目に先述の3神が遷された本社神輿3基が各町会を渡御する「本社神輿各町渡御」がそれぞれ行われます。

見どころは2日目と最終3日目に行われる神輿の渡御で、特に3日目の本社神輿3基は、それぞれが高さ約1.8メートル、総重量が1トンを超える巨大なものです。にも関わらず、勇猛果敢な江戸っ子たちは上下左右に神輿の渡御を振り動かし、わざと荒々しく揺さぶります。これは神輿に坐す神様の「魂振り(たまふり)」を行い、これにより神様の霊威を高め、豊作や豊漁、疫病の退散がなると信仰されているからだそうです。その様子からは、江戸っ子たちの魂とお祭りにかける情熱を直に感じることができます。

熱くも美しい男たちの根性の極み!!「豊川手筒まつり」

開催場所:愛知県豊川市 豊川市野球場
開催時期:毎年8月の第4土曜日
祭りの趣旨:五穀豊穣、無病息災、家運隆盛、武運長久
アクセス:名鉄豊川線「諏訪町駅」より徒歩10分

豊川手筒まつり

夏のお祭りには欠かせないものといえば、”花火”でしょう。一瞬の輝かしさと、あっけなくも華やかに消えていく美しい様は、夏という短くも濃い季節の思い出とともに、日本人の心に深く刻み込まれています。夜空一面を埋め尽くすほどの巨大な打ち上げ花火から、子どもでも楽しめる手持ち花火まで、様々な形がある日本の花火ですが、ここでご紹介したいのが愛知県や静岡県の伝統花火「手筒花火」です。

手筒花火とは、1メートルほどの竹筒に火薬を詰め、それを人が抱えながら行う花火のこと。火柱はおよそ10メートルもの高さまで立ち上り、数十秒間燃え続けます。その間、燃え盛る花火や舞い散る火花の熱さ、そして煙に耐えなければなりませんが、かつて三河地方の男はそんな手筒花火を経験して、初めて成人の仲間入りとみなされていました。
現在でも、特に愛知県や静岡県の各地方で「手筒花火」は行われているのですが、愛知県豊川市で毎年8月に行われる「豊川手筒まつり」では、400本を数える手筒花火のほか、打ち上げ花火なども見ることができるなど、まさに花火づくしのお祭りとなっています。

数千の男たちによるガチンコのぶつかりあいを目撃せよ!!「西大寺会陽」

開催場所:岡山県岡山市東区西大寺
開催時期:毎年2月の第3土曜日
祭りの趣旨:国家安泰、万民繁栄、五穀豊穣、所願成就
アクセス:JR赤穂線「西大寺駅」より徒歩15分

西大寺会陽

続いてご紹介するのは、岡山市にある西大寺で毎年2月に行われる「西大寺会陽(さいだいじえよう)」です。別名「はだか祭り」とも呼ばれています。

西大寺の本堂に集まった数千人とも1万人ともいわれる裸の男たち。夜10時、男たちは暗闇の中、頭上に投げ込まれる2本の宝木を巡って押して押されての争奪戦を繰り広げます。西大寺会陽の歴史は古く、奈良時代に始まった新年の祈祷「修正会(しゅしょうえ)」がその始まりとされています。現代のような裸で宝木を奪い合う様相となったのは、永正7年(1510年)のことです。修正会の結願の日に、守護札を所望する参詣者が殺到したために、参詣者の頭上にやむなく投与したところたちまち奪い合いとなり、参詣者が身体の自由を得るために裸となったという故事に由来します。

数千〜数万の男たちによる圧倒的な熱量と、寺院で行われる祈祷の儀式としての神聖な雰囲気があいまった、まさに「奇祭」と呼ばれるに相応しい西大寺会陽。2016年春には国の重要無形民俗文化財に指定され、国際的にも知名度が高まってきており、参加者のおよそ1割は外国人だそうです。また2017年度からは西大寺のホームページからインターネット動画中継も行われるようになっており、全世界で家にいながら西大寺会陽を楽しむことができるようにもなっています。

もう一つの特徴が、男性であればだれでも参加ができることです。ただし、他の参加者との接触や転倒等により怪我をする危険性や、イレズミやタトゥーをした人の参加は禁止などのルールもあるため、参加希望者は注意事項等をホームページなどで事前に確認するようにしましょう。

博多では、山笠を舁いてはじめて一人前!!「博多祇園山笠」

開催場所:福岡県福岡市博多区
開催時期:毎年7月1日から15日
祭りの趣旨:災厄除去
アクセス:福岡市営地下鉄「中洲川端駅」より徒歩5分

博多祇園山笠

巨大な「山笠」を舁くことで有名な「博多祇園山笠」。福岡市博多区で毎年7月に開催されるお祭りであり、漫画『島耕作』で描かれているのを見たという人もいるかと思います。その起源は、仁治2年(1241年)に遡ります。博多で疫病が流行した際、承天寺の開祖であり当時の住職である聖一国師(しょういちこくし)が町民に担がれた木製の祭壇に乗り、水を撒きながら町を清めてまわり疫病退散を祈祷したことが発祥とされています。

博多祇園山笠の特徴は、町が「流れ」と呼ばれる7つのグループに分かれて、総重量1トンを超える山笠を舁く速さを競い合う「追山」です。お祭りにおいて神輿や山車の速度を競うことはあまりありませんし、元々は博多祇園山笠でもそれは同じでした。しかし貞享4年(1687年)に、とある”流れ”が休憩中に別の”流れ”に追い越される”事件”が起きました。この際、ヒートアップした2つの”流れ”がマッチレースを繰り広げたことが町人に受けたことから、担いで駆け回るスピードを競い合う「追山」が始まり、現在に至っています。ちなみに、「舁く(かく)」という言葉が気になった方。現代人にはあまり馴染みがない単語ですが、「舁く」とは「背中全体で担ぐ」ことを意味しており、山笠が巨大で重量もあるために、このように表現されています。

4トンのだんじりが街を駆け抜ける!!「岸和田だんじり祭」

開催場所:大阪府岸和田市岸城町
開催時期:毎年9月の敬老の日直前の土曜日・日曜日
祭りの趣旨:五穀豊穣、疫病災厄難避け、勝運、安産、縁結びなど
アクセス:南海本線「岸和田駅」よりすぐ

岸和田だんじり祭

大阪府岸和田市で毎年9月と10月に開催されている「岸和田だんじり祭り」。岸和田城下の街中を、高さ約4メートル、重さ4トンにもなる「だんじり(地車)」が駆け巡る迫力満点のお祭りです。

その始まりは元禄16年(1703年)、時の岸和田藩主・岡部長泰(おかべながやす)が、京都伏見稲荷を城内三の丸に勧請し、五穀豊穣を祈願し行った稲荷祭であるとされており、関西の一地方のお祭りに過ぎませんでした。しかし、昭和の終わりの頃にメディアで紹介されたことがきっかけで全国的に有名になり、毎年50~60万人もの観光客が訪れる全国有数の祭りとなりました。

岸和田だんじり祭りの見どころといえば、高速で走行し停止せずにだんじりを方向転換させる「やりまわし」でしょう。岸和田だんじり祭り以外でも、山車や屋台を華とする全国各地のお祭りにおいて、その山車や屋台が曲がり角で方向転換する様子は大きな見所となっていますが、勢いよく走りながら直角に向きをかえる「やりまわし」は、岸和田だんじり祭りならではの見せ場となっています。

また、だんじりの上でリズミカルに踊るのは「大工方」と呼ばれる人々の動きにも要注目です。全力疾走するだんじりの上で、跳び上がって体の向きを変えたり、両手を広げ、片足で立つ飛行機乗りを披露する姿は、岸和田の少年や青年たちの憧れの的であり、こちらも岸和田だんじり祭りの見どころとなっています。

日本には約30万以上もの祭りがある!?

今回は5つのお祭りをご紹介しましたが、一説には、全国各地で年間約30万以上ものお祭りが開催されているとも言われており、まだまだ面白いお祭りがたくさんあります。

例えば、男性が担ぐイメージが強い神輿を、女性たちが担ぐお祭りもあります(大阪府大市 天神祭「ギャルみこし」、山梨県笛吹市 石和温泉「華みこし」、岐阜県美濃市 美濃まつり「花みこし」など)。三社祭でご紹介した浅草では、サンバカーニバルも有名です。また、「ねぶた」や「よさこい」あるいは「阿波踊り」など、一地方のお祭りとして有名だったものが、全国各地に広がっていったというものも多くあります。とてもここでは紹介しきれないほど日本のお祭りは奥が深く、その楽しみ方はまさに無限大なのです。

そんなお祭りに興味を持たれた方は、まずは近所で行われている小さなお祭りから足を運んでみてはいかがでしょうか。なんてことないと思っていた小さなお祭りにも、地域の人々が大切に育んできた歴史がギュッと詰まっていて、たくさんの魅力が感じられること間違いなしです。

(取材・執筆:小石原誠、編集:田中利知[ネイビープロジェクト ])

【監修者プロフィール】
株式会社オマツリジャパン 代表取締役 加藤 優子
オマツリジャパンは、お祭りを盛り上げることで日本を盛り上げる、世界初のお祭り専門会社です。人と人のつながり、ワクワク感、地域の魅力発信、経済活動を活性化致します。
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