転職ノウハウ

ファッション業界歴20年の ファッションアテンダント創業者、横路一樹に聞く。 ビジネスシーンで好印象を与えるためのファッション4つのマル秘テクニック

就職や転職時の面接。採用側に対し、いかによいイメージを与えるかという点で、やはり身なり(ファッション)はとても大切なポイント。ただし、多くの人がチョイスするノーマルなリクルートスーツで自分らしさを出すのは難しいところ。そこで、「ファッションアテンダント」の代表でスタイリストの経歴も持つ、横路一樹さんに、面接で無理なく好印象を与えるビジネスファッションのポイントをアドバイスしていただきました。

モノトーンで50点~60点のファッションがポイント

――ビジネスのコーディネートでまず気を付けるべきはどこでしょうか。

《横路》ビジネスシーンでは、お洒落度の高すぎるファッションは敬遠されます。たとえば原宿とか表参道で、『LEON』や『オーシャン』などの雑誌でスナップされるような人のファッションは、仮にファッションを点数化するとしたら僕の感覚では70点~75点で、何となく一般の感覚でのお洒落はそこが頂点。

でも、それって雑誌の編集者が厳選して見ている世界なので、一般の方であればそこまでいかなくていいと思うんですよね。だから目指すべきは55点でいいのではないかと個人的には思っています。

僕の今日の全身靴まで某ファストファッションブランドのスタイルも自己診断では60点、基準としては50点でもいいかもしれない。つまり一般男性の方のファッションは「50点~60点をキープしましょう」という話なんです。ただ実際のところ、多くの男性はその50点でさえ届かず、男性はみんな30点〜40点くらいですけどね。

逆に女性は大抵の方が55点~60点で、みんな男性より平均点レベルが高い。女性は常によく見られたいという危機感があるからなのでしょう。せめて男性もそんなにお洒落にならなくていいから、常に50点~60点の身なりを目指したいところです。

――50点~60点をキープする、黄金バランスのビジネス・カジュアルコーデのポイントはココ!

では、50−60点をキープするための黄金バランスのポイントはといえば “モノトーン”。デザインもそうですけれど、やっぱりクールを感じさせるのは白黒の組み合わせです。シンプルがカッコいい。モノトーン遣いがうまいのは、建築家とかデザイナー、フォトグラファーといった人たち。彼らは主役を引き立たせる陰の存在なので、自分は目立たないようにしながら、でもモノトーンでちゃんと主張を持っている。学ぶべきはそこなんです。

――モノトーンを基本にした見せ方はどうすればいいですか。

※横路さんの今日の全身5,000円未満ファッション(某ファストファッションブランドのコーディネート例)

シューズ 定価3990円 → SALE価格1290円
パンツ 定価3990円 → SALE価格990円
ニットポロシャツ 定価2990円 → SALE価格790円
3つボタンJKT 定価4990円 → SALE価格1290円

ファッションは全身のバランスです。ジャケットとかポロシャツ、パンツなどの1点ずつというよりはトータルのコーディネートがその人の印象を決めるので、そこは組み合わせの方法論「黄金バランス」があります。

それは黒の中に白を1点挟むということ。白いスニーカーで黒パンツを挟んで白シャツとか、これだけで清潔感が全然違います。パンツを基準にするのもわかりやすいですね。白パンツにすると、今度は上下(シューズや上着)を黒で挟めるので、簡単に清潔感のあるお洒落が演出できる。

逆に白シューズにすると黒パンツが使える。白シューズは足もとがパッと映え、全身のコーディネートがかっこよく見えます。ただし、白パンツに白シャツ、白シューズみたいに、白ばかりだとさすがに違和感がありますけどね(笑)。

――55点というと、ハードルが下がって誰でも取り組めそうですね。

経営者や役員にはファッション好きな人が結構います。そういう人にちょっとしたお洒落をアピールできれば、「この人は仕事でもこだわってくれそうだ」と印象がよくなると思いますね。

シンプルに色合わせができれば、ブランドや金額にこだわらなくてもいいんです。またネイビーの薄手のジャケットで柔らかさをプラスするのもよし。紺は黒よりも優しい印象にしてくれるので、ポロシャツやシャツの上からサッと羽織るだけで印象がグッとよくなります。完全な黒のジャケットだと印象がきつくなることもあるので、ネイビーくらいがいいかもしれません。僕は結構ネイビーを大切にしています。

身なりが変われば人生が変わる。面接はシャツ・小物にこだわりを

――業種によってフォーマルやカジュアルを使い分けしたほうがいいといったようなことはありますか。

IT系企業など、いま内部ではかなりカジュアルになっています。かつては全身スーツだったのに、いまは社内の人が僕のところにビジネスカジュアルの相談にきたりするんですよね。

ただ、さすがに昔ながらの企業の面接シーンではスーツが正解。そこで注目すべきはシャツです。オーダースーツを自慢する人は結構いますけれど、スーツはサイズ感さえ間違っていなければいいと僕は思っています。

けれども、ジャケットの下からのぞくシャツの質にはこだわった方がいい。いいシャツは質感が違うので見ればすぐにわかります。いいシャツを着ていると、スーツ姿がピシッと決まってグッとお洒落度が上がり、センスよく感じられます。

またネクタイやメガネといった小物も同じ。僕はネクタイに関しては絶対それなりのブランドのものを選んでいますし、こだわります。こだわりアイテムをどこか1つ取り入れるだけで、全体のファッションがバランスよく引き締まるんですよね。

そして面接のファッションにおける意外なジャッジのポイントもここ。身なりがきちんとしていることは必須条件ですが、こうしたこだわりの姿勢が「仕事への取り組み方」にも現れると考える経営者は少なくありません。驚くかもしれませんが、そんな小さなところまで、面接ではしっかりと見られている。自分なりのこだわりをアピールする機会でもありますから、ここは気を抜かないようにしてください。

――面接だからと言って、わざわざ高級品を買ったりする必要はないですか。

必要ないですね。オーダースーツでも何でも安いもので十分。モノトーンのシックなアイテムに、勝負シャツを一着。逆にいいシャツを着ていると、見る人はわかってくれるし、前述したように面接官や役員はそういうこだわりのある人が多いので、「オッ」と思ってくれるでしょう。

余談になりますが、個人的に某ファストファッションブランドはおすすめです。僕の中では面白い法則があるのですが、男性はこのブランドにお洒落を求めていない。そのせいか、ここの男性アイテムは、お洒落なものほど売れ残りがちです。だから僕の狙い目はそのブランドのワゴンセール。このパンツなんか「えっ、それどこのですか」と驚かれます。選び方や組み合わせを考えて上手にコーディネートすれば、某ファストファッションブランドでも十分面接に通用するファッションができるんです。

――ファッションで本当に人生が変わるのでしょうか?

変わると思いますね。身なりが変わると、社交的になったり、自信が持てたり、行動範囲が広がったりと、自分自身の意識、そして人生そのものが変わっていきます。ファッションにはそれだけの力がある。ビジネスにおける面接は、人生を変える大きな一歩です。ぜひ黄金バランスや50−60点を目指すファッションを参考に、自分らしさを演出しつつ、勝ち組となるファッションで面接に挑戦してみてください。

《まとめ》

横路さんのアドバイスを整理すると、面接で好印象につながるファッションのポイントは

(1)50点~60点のファッションを目指す(突出しすぎないということ)
(2)シンプルにモノトーンでまとめる
(3)白を黒やネイビーで挟む
(4)シャツや小物など1点ちょっといいものにこだわる

の4点。どれも意外とできそうなものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

横路さんが代表を務める、オシャレな人があなたに似合う服選びをサポートする買い物同行サービス「ファッションアテンダント」。今後ビジネススーツなどのフォーマルファッションをサポートする「スーツ/フォーマルアテンダント」といった分野も展開していく予定とのこと。アテンダントにはスーツのスペシャリストを揃えてあるとのことなので、ここぞ!という勝負の時には、こちらのアテンダントさんにサポートをお願いするのも一案かもしれませんね。

プロフィール
横路一樹(よこじいっき)
スニーカーと古着屋のバイヤー&ブランド古着店オーナーからスタイリストを経て起業家に転身。「ファッションアテンダント」は、センス良い人の時間を買う、ファッション&買い物お悩み解消サービス。個人はもとより、いまや福利厚生としてこのシステムを組み入れている企業もあり、各方面で好評を得ている。
<ファッションアテンダント 公式サイト>
http://fashion-attendant.com/

(取材・執筆:坂本陽子)